魔王を倒した方なら、すでにご存じの通り。
魔王の背後にいるのは、戦神オーディンだった。
神々の戦いに備え、手駒となる強力な兵を求めたオーディンは、次世代の戦闘種として人類を育成。
その最終試験として、現段階最強の兵たる魔王を送り付けた、というのが事の真相らしい。
ここでは、魔王とオーディンについて、少し想像してみたい。
魔王もまた、オーディンに作られた存在。
オーディンの分身体ということで、オーディン麾下最強の“兵”である。
現状のままなら神々の戦いに投入される予定だが、自分の後釜たる人類を試す役割を担っている。
しかし倒された時の魔王の台詞から察するに、魔王自身は忠誠を誓っていたとは言えなさそうだ。
「オーディン様のために最強の軍を作る!」という使命感で動いていたのではなく、「自分もモルモットに過ぎない」と諦めていた節がある。
絶対的な力による服従か、あるいは枷のようなものがつけられているのか。
オーディンには抗えず、かといって自分を駆逐するであろう人類に希望を託すこともできなかった。
人類の強大な敵として、自らの役割を演じ切った上での死が、彼の救いであったのかもしれない。
オーディンほどではないにせよ、魔王も相当な力を持っているのはすでにご承知の通り。
実際戦ってみると、オーディンの子(天界で戦うトールたちは、オーディンの子)よりも強い。
神の事情は分からないが、すでにオーディンは相当強力な戦力を持っているようにも思える。
より強い力を求めるのは戦争の常だが、なぜここまで手の込んだことをしてまで人類を育成したのだろうか?
例えば、魔王はオーディンの分身体だから、大量生産できないのかもしれない。(2ではいろんなタイプの魔王がいるらしいが)
むしろ魔王を量産できるなら、最初からそうしているはず。
それに引き換え人類は勝手に増えていくので、数には困らない・・・はず。
ただし、オーディンチルドレン以外はまず魔王を上回る個体にはなりえない。
2で魔王の種類は10体を超えるらしいが、シリーズ毎に登場するオーディンチルドレンの数も似たようなもの。
もう少しオーディンチルドレン寄りにメリットがあると考えてみよう。
魔王を生み出すよりは、オーディンチルドレンに力を与える方がコスパが良いのか。
他にも似たような世界があると言われているので、オーディンチルドレン自体は各世界にもっと数がいる可能性はある。
一方で、魔王は同じヤツがいろんな世界に使いまわされている可能性もある。
あの魔王も倒されてようやく解放されるようなことを言っていたから、相当酷使されていたのかもしれん。
辛い。辛すぎる。
せめて魔王戦は熱い戦いにしてあげよう。
分身体であることが、神々の戦いではデメリットに働くことがあるのではないだろうか。
他の神も魔王のような存在を生み出すことができ、神同士では手の内が読まれているとか。
そうなると戦いが膠着状態になったり、総力戦になったりして、オーディン勢力も無傷では済まない。
それなら、戦局を打開する切り札として、他の神の意表を突くような能力、思考をする存在を欲したのかもしれない。
オーディンチルドレンの個性の強さは、プレイされた方が一番よくご存じのはず。
魔王やオーディンには予測もつかないプレイ、されませんでしたか?
オーディンチルドレンの連携は、戦の駒としては余計なものだったとしても、それで戦果をもたらすのであれば、オーディンは受け入れる。
「研究対象としては興味深い」は、そういう意味だったのかも。